旧道(県道277号線)沿いに「熊野神社」があります。
街道を歩いていましたら、ひっそりと参道が目にとまります。
自転車で行きましたので、車止に置きまして参拝しました。
熊野神社は、被爆建物です。
広島には多くの被爆建物があります。爆心地から4800mも離れたこの地も爆風を受け多大の被害がでています。
広島市内からやっとここまで非難された多くの方が休息され、力尽きて命を落された方も多くおられたそうです。
熊野神社にあります由緒の石版をみますと、
旧称を「熊野新宮社」、通称「新宮社」と言われていたそうです。
祭神は、伊邪那岐命、伊邪那美命です。
昔、この辺りに住家を営むとよく火災が生じたので、
天文年間領主武田氏が社殿を創建し御祭神を勧請して熊野新宮社と称して祭礼を行ったところ火災が起こらなくなり、住民は火防の神として篤く崇敬した。
と、あります。
天文年間とは、1532年から1555年です。
熊野神社は天文9年に急死しました武田氏領主武田光和の投じた「投石地蔵」からわずかのところにあります。
また、石版には、
御神徳に、「現世安穏」とあります。
武田氏の願いは静かにこの地で今も続いています。